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この記事のポイント
- 地震雲と呼ばれる形は、筋の雲・縞の雲・赤い空の3系統、6種類に分けられる
- 6種類とも、飛行機雲・巻雲・放射状雲・雄大積雲・波状雲・巻積雲・朝焼けと夕焼けとして説明できる
- 気象庁と日本地震学会は、雲と地震を結びつける科学的な説明はないとしている
目次
空に見慣れない形の雲が出ると、「地震雲では」と不安になることがあります。
ネットで地震雲と呼ばれる雲の種類は、おおむね6つ。
結論から言うと、6種類とも気象学で名前があり、できる理由も説明できる雲です。
記事の内容は、2026年11月時点の気象庁と日本地震学会の説明にもとづいています。
写真つきで1種類ずつ正体を見ていけば、空を見上げるのが少し楽になるでしょう。
01地震雲と呼ばれる雲の種類と、本当の名前の一覧
地震雲と呼ばれる雲は、細い筋の雲、縞模様の雲、赤く染まった空の3系統に分けられます。
一覧で押さえておきたいことは、2つあります。
- 6種類とも、気象学の名前とできる理由がある
- 見分けるときは、形と色の2点を見る
まずは一覧から。
6種類とも、気象学の名前とできる理由がある
6種類の呼び名と、正体の名前を並べました。
| ネットでの呼び名 | 気象学での名前 | できる理由・特徴 |
|---|---|---|
| 帯状地震雲 | 飛行機雲・巻雲 | 上空の冷たい空気で水蒸気が凍る |
| 放射状地震雲 | 放射状雲 | 平行な筋が遠近法で集まって見える |
| 竜巻状地震雲 | 雄大積雲・飛行機雲 | 温められた空気が上がる |
| 肋骨状地震雲 | 波状雲 | 風の境目にできる空気の波 |
| さざ波状地震雲 | 巻積雲(うろこ雲) | 高い空に小さな雲のかたまりが並ぶ |
| 赤い地震雲 | 朝焼け・夕焼け | 太陽の光の通り道が長くなる |
6種類とも、日常的に見られる雲や空の色。
見分けるときは、形と色の2点を見る
1つ目の手がかりは、雲の形です。
細い筋なのか、縞模様なのか。
2つ目は色。赤い空は、雲の形より太陽の高さで決まります。
形と色を分けて見れば、名前はかなり絞れるでしょう。
02筋の形をした3つの種類
細長い筋の雲は、地震雲と呼ばれる形の1つ目の系統です。
多くは、飛行機雲や、高い空にできる氷の粒の雲。
筋のように見える雲は、正体によって次の3つに分けられます。
- 帯状の雲は、飛行機雲や巻雲の筋
- 放射状の雲は、平行な筋が遠近法で集まって見える
- 竜巻状の雲は、縦に伸びた積雲か、伸びた飛行機雲
筋の向きと太さに注目すると、何の雲かがおおよそ分かるでしょう。
帯状の雲は、飛行機雲や巻雲の筋
空を横切る一直線の雲は、帯状地震雲と呼ばれる代表的な形です。
正体の多くは、飛行機雲。
飛行機のエンジンの排気に含まれる水蒸気が、上空の冷たい空気で氷の粒になってできます。
空気が湿っている日ほど、長く残ります。
日本地震学会も、地震雲とされる雲の多くは、飛行機雲や巻雲といった普通の雲で説明できる、という見方。

世界気象機関(WMO)の国際雲図帳は、長く残る飛行機雲を、人の活動でできた巻雲として分類しています。
放射状の雲は、平行な筋が遠近法で集まって見える
空の一点から筋が広がるように見える雲は、放射状地震雲と呼ばれます。
実際の雲は、平行に並んだ筋。
まっすぐな線路が、遠くで一点に集まって見えるのと同じ遠近法で、放射状に見えます。

国際雲図帳では、平行な筋が遠近法で地平線の一点に集まって見える雲を、放射状雲(radiatus)と呼んでいます。
竜巻状の雲は、縦に伸びた積雲か、伸びた飛行機雲
地面から空に向かって立つような雲は、竜巻状地震雲と呼ばれることがあります。
1つ目の候補は、雄大積雲。
地面で温められた空気が上がり、雲が塔のように縦へ伸びます。

2つ目の候補が、飛行機雲。
報道によると、気象庁気象研究所の雲研究者は、立って見える細い雲を飛行機雲が伸びたものと説明しています。
見ている人の方向へまっすぐ伸びた飛行機雲が、立っているように見えるのです。
03縞の形と色の3つの種類
縞模様の雲と赤い空は、筋の雲と何が違うのでしょうか。
縞やうろこ模様は雲の並び方、赤い色は太陽の光の通り道で決まるもの。
見分ける手がかりは、次の3つです。
- 肋骨状の雲は、風の境目にできる波状雲
- さざ波状の雲は、うろこ雲とも呼ばれる巻積雲
- 赤い雲は、日の出と日の入りの光で染まる
形と色のどちらに目が行ったかで、当てはまる雲が変わるでしょう。
肋骨状の雲は、風の境目にできる波状雲
あばら骨のような縞模様の雲は、肋骨状地震雲や波紋状地震雲と呼ばれます。
正体は、波状雲。
上と下で風の速さや向きが違う空気の境目に、目に見えない波ができます。
波の山の部分に雲ができて並んだものが、縞模様の正体です。

さざ波状の雲は、うろこ雲とも呼ばれる巻積雲
小さな雲のかたまりが規則正しく並んだ空は、さざ波状地震雲と呼ばれることがあります。
正体は、巻積雲。
うろこ雲、いわし雲という名前のほうが、なじみがあるかもしれません。

赤い雲は、日の出と日の入りの光で染まる
空や雲が燃えるように赤い日は、赤い地震雲として写真が広がりやすい日です。
正体は、朝焼けと夕焼け。
太陽が低いとき、光は大気の中を長い距離進みます。
途中で青い光が散らされ、赤い光が多く届くため、雲が赤く染まります。

04地震雲の種類と地震の関係を、気象庁と日本地震学会はどう説明しているか
雲の正体が分かっても、「地震と関係があるのでは」という不安は残るものでしょう。
気象庁はホームページで「地震雲はあるのですか?」という問いに答え、日本地震学会もよくある質問で取り上げています。
要点は、次の4つ。
- 雲は大気の現象で、地震は大地の現象
- 有感地震は1日平均5回ほどあり、雲と偶然重なりやすい
- 日本地震学会も、雲と地震の関係はないと考えるのが一般的としている
- 地震の前に上空で起きる変化は、研究が続いている
形の種類に関わらず、雲から地震を知る方法は、いまのところありません。
雲は大気の現象で、地震は大地の現象
気象庁は、雲と地震を別の現象としています。
「ない」と言い切るのは難しいとしつつ、地震が雲に影響する仕組みは科学的に説明されていない、という立場です。
有感地震は1日平均5回ほどあり、雲と偶然重なりやすい
日本で揺れを感じる地震は、1日平均5回ほど。
変わった雲を見た日に、どこかで地震が起きることは珍しくありません。
気象庁の説明では、形の変わった雲と地震は、偶然結びつけられることがあるとのこと。
日本地震学会も、雲と地震の関係はないと考えるのが一般的としている
日本地震学会は、地震研究者のあいだでは一般に、雲と地震の関係はないと考えられているとしています。
過去の報告の多くは、大地震の前にたまたま変わった雲を見て、あとから結びつけたもの。
一方で、地震が起きなかった日に見た変わった雲は、忘れられがちだとも説明しています。
地震の前に上空で起きる変化は、研究が続いている
一方で、地震の前に上空で何かが起きるかを調べる研究は続いています。
2011年の東北地方太平洋沖地震では、約40分前に電離圏で電子が増えた、と北海道大学の日置幸介さんが報告(予稿)。
別の解釈を示す研究者もいて(予稿)、結論は出ていません。
2025年には、四川地震の前の虹色の雲を調べた論文も(要旨)。
まだ仮説の段階で、雲の形で地震を予測できる段階ではありません。
05変わった種類の雲を見たときにできること
見慣れない雲に気づいたのは、空をよく見ていたからこそ。
できることは、2つです。
- 写真を撮って、雲の名前を調べる
- 不安を感じたら、家の備えを確かめる
雲の名前を知ることも、備えを数えることも、数分で始められます。
写真を撮って、雲の名前を調べる
雲の形は、数分で変わってしまうもの。
気になった雲は、空が広く写るように撮っておくと、あとで見比べられるでしょう。
地震雲ジャッジでは、空の写真から6つの形のうち何に近いかを判定し、雲の名前とできる理由を表示します。
写真の解析は端末の中だけで行い、サーバーには送りません(Claude 上で「AIで詳しく判定」を押した場合を除く)。
不安を感じたら、家の備えを確かめる
雲から地震は分かりませんが、大きな地震は雲と関係なく起こりえます。
内閣府の世論調査(2025年、速報値)で、携帯トイレを3日分以上備えている人は27%でした。
携帯トイレは1人1日5回分が目安で、4人家族の3日分なら60回分。
06まとめ:地震雲の種類は、6つとも気象学で名前がある
- 地震雲と呼ばれる形は、筋の雲・縞の雲・赤い空の3系統、6種類に分けられる
- 6種類とも、飛行機雲・巻雲・放射状雲・雄大積雲・波状雲・巻積雲・朝焼けと夕焼けとして説明できる
- 気象庁と日本地震学会は、雲と地震を結びつける科学的な説明はないとしている
見かけた雲が気になったら、写真を撮って名前を確かめてみてください。
地震雲ジャッジなら、空の写真から近い形と雲の名前を調べられます。雲の写真を判定する
家族の人数と日数から、水・食料・携帯トイレの量も計算できます。家の備えを確かめる
地震雲と呼ばれる雲の種類を知っておけば、次に変わった雲を見ても、落ち着いて名前を調べられるでしょう。
出典・写真のクレジット
- 気象庁「地震予知について」
- 日本地震学会 よくある質問
- WMO 国際雲図帳「飛行機雲」
- WMO 国際雲図帳「radiatus」
- 神戸新聞(まいどなニュース)2024年8月
- 内閣府「防災に関する世論調査」2025年(速報値)を伝える報道
- 写真(Wikimedia Commons):Astronautilus(CC BY 2.0、アイキャッチ)、Michael Scheltgen(CC BY 2.0)、not on your nelly(CC BY 2.0)、Janne Naukkarinen(Public domain)、H. Floreen, NOAA NWS(Public domain)、Ximonic (Simo Räsänen)(CC BY-SA 3.0)、作者不明(CC0)
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